- 久しぶりに、心震える本に出会いました。
- 風をつかまえた少年/文藝春秋

「風をつかまえた少年」アフリカの最貧国マラウイの少年、ウィリアム。
国を襲った食料危機による飢饉で、学費が払えず、学校にさえ行けなくなった彼が
「学びたい」というその一心で、
独学で科学を学び、廃材で風車を作り、発電装置を作る。
その発電装置が評判を呼び、彼は有名な国際会議「TED」に招待され、
中学校に通えるようになり、また高校にも、アメリカの大学にまで進学できるようになった!
(TED会議って、科学の超有名なサロンみたいなところらしいです。ここで発表すると一躍有名になる。最近はNHKのスーパープレゼンテーションって番組でもおなじみですね。くわしくはこちら)そんな彼の半生記。
まさに、「勉強」をきっかけにした、シンデレラストーリーです。
マラウイの貧しさ、村人の無知、そして、飢饉。
飢饉の様子も本当にリアルで悲惨なだけに、
彼のきらきらしいまでの「学びたいという意欲」「勉強に対する情熱」が、胸をうちます。
少年の周りの人たちが、異様な状況で沢山死んでいった、悲惨な飢饉のなかで、希望を失わず、ただ、彼は、「学びたい」という気持ち一筋で、それを希望の灯として、突き進んでいった。
そんな一直線な気持ちが、眩しくて清々しいです。
今、ウィリアム少年は、アメリカのダートマス大学で学んでいるらしい。
1987年生まれの、現在27歳。
アフリカのこの若者に、「学ぶこと」の本当の意味を教えてもらった気がします。
学ぶことって…
現状を打破すること。前進すること、なんだなって。
知識こそが、力になる。
今の状況を変える、力になる。
明日、食べるものもないくらいにしんどい状況で、
お金がなくて学校にも行けないような状況で、
それでも学び続ける。
彼にとって、学びは希望だったのでしょう。
彼を支えた家族も素晴らしいと思います。
(彼は長男で、本来なら家族のための労働をしなくてはならないところを、お父さんの理解もあり、ある程度免除してもらい、一人で本を読ませてもらっていたという経緯もあるようです。
彼の家からは、子供を学校に行かせる事が出来るのはせいぜい一人だけで、妹たちは学校も行けず、働かざるを得ない環境にあったようです…)。。。
最近、興味があってアフリカの児童問題の本をちらちら読んだりするのですが。
アフリカの児童労働、少年兵、児童買春、性犯罪、エイズ、若年結婚…色々な問題は、根本的に、抜け出せない「貧困」から来るものなんですよね。
貧困故の無知。貧困故の悪循環。
子供たちの置かれている状況は本当に悲惨で、目を覆いたくなるものばかりだったのですが、
そんななかで、このウイリアム少年の志の眩しい事!!
一筋の光のように、キラキラと輝いているように見えてなりません。
彼が同じ「貧困」の状況のなかで、もがいて、あがいて、そしてシンデレラボーイとなれたのは、
ひとえに彼自身が「学び」への執念があり、それを周りが支えたからだと思います。
だからこそ、アフリカを良くしたいと思い、あがいている人たちにとっても、
ウイリアム少年が光のように眩しく、爽やかに写ったのではないかな。
だからこそ、「TED」会議で素晴らしい拍手をもらえたのではないでしょうか…
「教えてもらう」「やってもらう」のではなく、「自ら学ぶ」という姿勢。
これこそが、自助努力。これこそが力になると思うのです。
彼がアフリカの光に思える。皆そう思って拍手をしたのだと思います。
「教育がチャンスを与える」
「トライして、やり遂げる」ことの大事さ…
勉強って、本来そういうことだと思うのですよね。
彼が身をもって教えてくれたなぁ、と思うのですよ。
。。。。
ちなみに、ウィリアム少年が世の中に出るきっかけとなった、TED会議の様子はここで見る事ができます。
ウィリアム・カムアクンバ「風力発電の作り方」
上記の本は、最初は図書館で借りたのですが、子供たちにも読ませたい!と思って、買い直しました。
あまりにも感動したので、こんな絵本も見つけて、子供たちに与えてみた。
こちらは、同じ本の内容の絵本版。
分厚い内容の本が、この一冊にぎゅぎゅーっと詰まってます。
最後の一文が感動だった…
- 風をつかまえたウィリアム/さえら書房

ハナはあまり反応してくれなかったけど、タロウは反応してた。
本のほうも、数日ハマって黙々読んでいたので、面白かったみたいです。
子供の教育を考えて、右往左往している私ですけどね。
アフリカの貧しい少年に、勉強とは本来どういうものなのか、という事を教えてもらった気分。
まさに、初心に返れる本。
あー、すっごくいい本でした。おすすめ。
朝日新聞GLOBE
ウィリアム・カムクワンバのインタビュー。
これもあわせて読むと面白いかも
。。。
3年前の出版物なので、今更感かもしれませんが、
久しぶりにすっごく「好き!」って思えた本に出会えたので
熱く語ってみた。
勉学が身を成り立たせる、
シンデレラストーリー的なところもツボだったんだよなぁ。

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