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「卵と小麦粉 それからマドレーヌ」

この本、読みました

卵と小麦粉それからマドレーヌ (ポプラ文庫ピュアフル)/石井 睦美
 
この本、出会ったきっかけは塾の国語テキストだったんですよね。
タロウが読んで面白かったらしく、
「これ読みたいー」というので、手に取ってみたという次第。

それにしても、「塾のテキスト」って、私や子供たちにとって、新しい本の出会いの場で新鮮です。
これまでの生活では触れなかった、興味を持つきっかけがなかった本に色々と出会えて、感謝しています。
一部の抜粋が載るので、半ば強制的に子どもも、ちょっと読んで「おもしろそう」か「そうでもない」かのお試しが出来るかんじ。

中学受験勉強の、思いもしなかった副産物かも(笑)
こういう出会いも「アリ」よね!



さて、結論から言うとこの本、
すっごい爽やかで、親子で読みたい小説!と思いました。オススメ。

。。。
(以下、ストーリーネタバレなので、差し支えない方だけどうぞ)



主人公は、中学一年生の女の子。
中学受験をして入った私立の学校の教室で、前の席の川田亜矢から

「ねぇ、自分がもう子どもじゃないって思ったときって、いつだった?」

こんな会話から、物語が始まります。

やなやつ。そんなイメージから一変して、ふたりは親友になります。
この「亜矢」がシッカリしていて芯が強くて、とっても魅力的なの。

なぜ、中学1年生にして、ここまで確固とした自我を持つように至ったのか。
そこには秘密があって…。
彼女のアイデンティティの源は、小学校時代の「いじめ」だったのね。

両親の離婚、という波乱を経て、
また学校ではいじめに苦しみ、悩む。
でも彼女はそして打ち勝ち、彼女なりのアイデンティティを確立した。


。。。

私も少なからず「いじめ」を経験した身として、良く分かる!
「いじめ」は苦しいけど、そこから得るものもぜっっったいにあると思うの。

少なくとも「ここから抜け出したい」というモチベーションにするには、最適だと思う。

私も、亜矢のように「ここから抜け出したい」という思いで、中学受験勉強に没頭しました。
マイナスの要素は、考え方次第で、プラスの要素となりうると思う!

「いじめ」なんて、バカバカしいことに負けるなんて、絶対に損だから。
かならず、プラス要素を見つけて頑張ってほしい…。

そんな事を思ってしまいました。


。。。

一方、主人公の菜穂は、家族思いのパパ、ママに囲まれて幸せに育ってきました。

ママは、お料理の上手な素敵な専業主婦。

いつも菜穂のことを思ってくれて、

菜穂が幼い頃に言った、
「家にはいつもクッキーの焼く匂いがしてほしい」
その言葉をきっかけに、お菓子作りを勉強して、お料理教室にまで通って、ほんっとに「素敵なママ」です。


ところが!!

菜穂の13歳の誕生日に、波乱が起こります。

なんと、料理教室に通っていたママが、優秀な成績で卒業し、パリの料理学校にも入学を許可されたと!


「ママ、フランスに行ってくるわね」


許せない…!!菜穂は反発します。

料理人になりたい、というママ。
ママ、もう40になるというのに、今更何を言っているの?
ママはずっと、私のそばにいてくれるんじゃなかったの!?


私の誕生日なのに、最悪。
イライラ、モヤモヤする菜穂に、親友の亜矢、そして幼なじみのまゆ子が諭します。

素敵なママじゃないの。応援してあげたら?


そして、菜穂も自分の気持ちが変わって行きます。
ママを応援してあげよう、と。
半年間、パパと二人の生活も悪くない、と思うようになる。

菜穂は、毎日のお弁当もママの特訓のおかげで、ひとりで作れるようになって(すごい!)
自立への階段を登って行く。
菜穂も、少しずつ変わって行くんですね。



菜穂が、亜矢に悩み相談をしたときに、自らのいじめ体験を打ち明け、問いかけた質問…

「この話から、菜穂は何を学ばなければならないでしょう?十字以内で答えなさい」

「…答えは、『変わるのはわたしです』でした」

このやりとりに、とってもジーンときた。


「あたしが変わってまわりが変わるのを、あたしはこの目で見たよ。学校の友だち…あれを友だちと言えればだけどね」


…ほんっとうにその通り!と思う。



本当の幸せってなんだろう。
自分は、どう生きて行けばいいんだろう。

この問いに、まだまだ幼さの残る、ティーンエイジャーの少女たちが、もがきながら進んで行くんですね。


。。。

一方、子供たちの背後で、もうすぐ40歳の「ママ」も、
「自分の夢」について考えて、前に進んでいく。


ママは言います。

「菜穂が一年生のときに、
『ママは大きくなったらなにになりたいの』 って聞いてくれたことがあったんだ。
なにかになることなんて、ママはもうあきらめていたのに、菜穂は真剣に聞いてくれるんだと思って。
これからでも、なにかになれるかなって。そう思った」

「少しでもいい学校に行くために勉強して。これといって目標もないまま文学部に入って、なんとなく仏文で、(中略)パパのコネと大学時代の成績とで銀行に入って、(中略)考えつくさないうちに結婚しちゃって、菜穂が生まれて。
考えることさえ忘れていたときに、菜穂が教えてくれた。
だれも教えてくれなかったことを。ほんとはじぶんで気づかなくちゃいけなかったことを。両方ほしいって、言っていいんだって」


そんな事を言い出したママ、
最初は、おばあちゃん(ママのママ)の大反対に合うのだけど、
結局は協力を得ることになり、

「いい? みんなの思いやりのおかげで、あなたのわがままが通るんだってこと、忘れないでちょうだい」

ナンダカンダ言われつつも、皆の応援を得て、フランスに旅立ちます。


。。。

ほんとに、登場人物みんな爽やかで、前向きで、清々しい気持ちになれる小説でした。

特に私は年齢的に近い「ママ」にシンクロしちゃって、
自分も頑張ろう!って強く思ったなぁ(笑)

読み終わったあと、ダンナに


お母さん、火って何から出来ているの?
「もしも、私が、仕事の認められて、ハリウッドの学校に特待生で招待されて、しばらくアメリカに行くことになったりしたら…、子供たちと日本で生活できる?」

なんて聞いちゃった(笑)

ダンナ目開け口開け汗
「え、なに、そんな話あるの!?」

私横目汗
「…いや、ないけど」


なんだよーー!とか言われたけど、
もしそういう話があったら、仕方ない、言っておいでっていうよ

と言ってもらえて嬉しかったにひひ


まぁ、私の場合は留学は可能性としてあまりないけど、
取材旅行ならあるかな??

いつか、行けるように頑張るよー!!(笑)


。。。

「甘え」と「自立」の間で揺れ動く、
小学生高学年あたりの子に、ぴったりの小説と思う!
親子で読める、爽やかなお話。

夏休みの一冊にいいかもラブラブ おすすめですー!

。。。

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ふるまり

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