この本読みました~
- 次郎物語(上) (講談社青い鳥文庫)/講談社

- 次郎物語(下) (講談社青い鳥文庫)/講談社

「次郎物語」
作者は下村湖上。
明治期に書かれた、一人の青年の成長を追う長編小説。名作ですね。
全五部にわたる長編ですが、「青い鳥文庫」のほうは、本編から作者が子供のために、文意をそのままに子供のために読みやすく、あらたに書き下ろしたもののようです。
もともとは、タロウが塾のテキストで読んだらしく、「おもしろかった!」と言っていたの。
彼は国語の成績こそは芳しくないんだけど(^^; 塾のテキストを読むのは楽しいらしく、塾から帰っては「今日の国語の文章は面白かった」「続きを読んでみたい」などと言ってきます。
いくつか、それがきっかけで出会っている本がありますが、この本も、そのひとつ。
テキストを通じて、良い出会いを貰っています。
「次郎物語」、私もタイトルこそは知っていたのですが、中身をちゃんと読んだことなかったの~

「この子、相当悪いんだよ。ひねくれてるの。
いつも悪い事ばかりしいるんだけど、あるとき、悪い事をしていないのにお母さんに事件の罪をきせられたことがあって、結局やったと嘘を言うんだけど、
『母をてこずらせるのも面白いが、やらないことをやったといって、どんな顔をするのか見るのも愉快だ』(←原文ママ。セリフ覚えていたらしい)
なんていって、心の中で冷笑したりするの」

「うわ、それは相当ひねくれてるわねぇ!」
で、どんな話だろうと思って、早速購入して、私もパラパラと読んでみたのですが、
次郎の「暴れん坊ぶり」が、あまりにも面白く!
本をタロウに渡す前に、私が読みふけってしまいました~
次郎は、三人兄弟の真ん中なのに、おかあさんやおばあさんに嫌われ、
小さな頃は里子にだされ、元に戻ったあとも差別されて影に日向にいじめられる。
いわゆる「はみだしっこ」の典型なのですが、それにしても、
次郎の意志の強さ、気の強さ、そして「悪さ」も、そーとー酷い(笑)
愛に飢えて、愛を模索し、自分の気持ちをどのように表現したら良いのかわからず、
だからこそひねくれ、悪くもなるのよね。
そんな悪いことしてりゃ、なかなか理解もされないでしょうよ、とも思うのですが、
子供は、周囲から理解されないからこそ、悪くなる。悪循環なんだよなぁ。。
次郎とは正反対に、おばあさんやおかあさんや、大好きな「ばぁや」の愛をも、一心に受ける、兄の恭一。
その恭一を憎むあまりに、
恭一が寝ている間に、ランドセルから教科書やノートを奪って、ビリビリに破って便所に捨ててしまう、とかね。
おねしょをして怒られるのが嫌で、でも夜中にトイレにいくのも面倒くさく、隣に寝ていた弟の俊三に向かって、小便をひっかける、とかね。

「うわーー、ワルいーーーー!この子、わるいーーー 相当だね!!」

「でしょーー!」
などと言って、笑いあっておりましたよ。
実は以前、タロウが友人関係でトラブルになって、いじめ的なことをされたことがあったのですが、

「次郎って、あの○○君よりそーとー酷いよ! ここまではされていないでしょ?(笑)」
なんてことも話したりしてねw
(○○君、ごめんね…)
でも、読み進むうちに、
その次郎が、優しいばあやや、おじいさんや、おとうさんや、友人のお姉さんを通じて、
愛を知り、おのれを知り、自己肯定感を少しずつ育まれ、成長していくの
もう、もう、涙なくして読めませんでした;
そして最後は、病床に臥せった母の言葉
「子どもって、しんからかわいがってさえやれば、それでいいのね」
泣けた…(T_T
子供向けの本なので、優しい文体で、文末ごとに次郎の心情の解説、これはどのようなことなのでしょう、という作者からの問いかけがありました。
だからこそ、他人の心情を理解するのが苦手な、男子にも最適な物語文かも。
そして、男子を持つ母、とくに「暴れん坊」の子供に手をやくお母さんにとっても、
明治時代の教育方針、親としての心得の参考として、教育指南書としても読める。
良い文章だったように思います。
やっぱり、名作には、名作となるべき、それだけの理由があるんですね。しみじみ。
大人にも、こどもにも、おすすめでーす!
- 次郎物語〈上〉 (新潮文庫)/新潮社

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こっちも読んでみようかな~。
。。。
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