私がタロウに熱心にプレゼンした「すごいウイルス」についての話。

せっかくなので(?)こちらでもイラスト付きで解説してみたいと思います。
(参考文献「ウイルスってなんだろう」岡田吉美著/岩波ジュニア新書)
。。。
ウイルスの、唯一にして最強の武器は、「DNA」または「RNA」です。(総じてゲノムという)
ウイルスは細胞を持たず、つまりは生物の基本物質であるタンパク質を作る工場(リボゾーム)を持たないので、自分で増殖することができない。
ではウイルスはどうやって仲間を増やすのかというと、動物(または植物)を乗っ取り、寄生先の細胞のリボゾーム(タンパク質合成工場)を使って、自分のためのタンパク質を作らせるのです。
ウイルス達がどのように、寄生先の細胞を乗っ取るのか(侵入するのか)というのは、ウイルスによって違います。
とりあえず一例として、まずはこちらのウイルスについて説明してみましょう。

宇宙船みたいな「大腸菌ファージT4」です。
大腸菌ファージT4は、その名の通り、大腸菌に寄生します。
まずはこの大腸菌ファージT4 が大腸菌にとりつくと、しっかりと足を固定し、そして頭部にあるDNAを中に注入します。
まるで注射のように。

DNAを注入し終わると、そのファージウイルス本体は役目を終え、殻のみとなって死にます。

大腸菌全体像で見ると、こんな感じ。
ちなみにこの大きさの表現はテキトーです。ほんとはウイルスのほうが大腸菌よりずっと小さいで、こっからがすごい。
大腸菌の外には殻だけになったファージウイルスが残っています。
で、その中身(DNA)はというと、寄生先の大腸菌のなかに入り込んでいる。
つまりはいったん姿を消すわけです。

この間、外から見ると何も起こっていないように見えます。
これを「暗黒期」と呼びます。
この暗黒期の間、ウイルスは何をしているのかというと、寄生先の細胞のなかで、注入したDNAをもとに、リボゾーム(タンパク質工場)を使って、せっせせっせと、そのウイルスの分身を作っている訳です。
そして、一定期間の後…

ウイルスは、いきなり爆発的な数で、その姿を現します!
そして、寄生先の細胞壁をくいやぶり(正しくは酵素で溶かして)、ずしゃぁぁぁぁぁと外になだれ出るわけです!!

(効果音はイメージです)
コワイですねぇ、
コワイですねぇ、
コワイですねぇ!!!
(淀川長治ふうに)
大腸菌にとってみれば、ウイルスに取り憑かれたが最後、逃れる術はないんですね。
残る道は死のみ、というか。
ウイルスって、強えーなーーー。
この過程を擬人化すると、(しなくていい)
一匹の特攻隊員が自らの身を犠牲にして、宿主の身体のなかにもぐりこみ、

その情報をもとにして、特攻隊員の無数のコピーを作成し。

そして、内側から一斉に飛び出し、宿主を殺す、、と。

そして、その総攻撃で飛び出した、特攻隊員の一人一人が、また同じように別の宿主に特攻し、増殖し、それを繰り返す。
ホラーだホラー!!!いやぁ、ミクロレベルでは、そんなホラーなサバイバルが繰り広げられていたんですね。
まったくもって興味深いです。(←怖いものみたさの心境)
ちなみに、ウイルスがなぜ細胞に取り付くのかというと、細胞のレセプター(受容体/カギ穴)を利用して、そこに吸着して入り込みます。
(さっきの大腸菌ファージT4も同じように、レセプターを利用して侵入する)
侵入の仕方は色々とありますが、たとえばインフルエンザウイルスの場合は、まずは細胞のレセプターにとりつき、エンベロープという外側の膜を、細胞の表層の膜と融合させます。

ずぶずぶずぶっと融合させ、そして、

最後にはゲノム(RNA)を細胞の内側に潜り込ませる、という仕組み。

たまに薬などで「レセプターブロック」という言葉を聞きますが、これは、ウイルスをはじめとして外からの攻撃に対して、細胞のレセプター(受容体/カギ穴)をなんとかしようという意味なんですね。
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一方、ウイルスに抗生物質が効かない、というワケも、このウイルスの増殖のしかたをみればわかります。
抗生物質は、細菌が細胞分裂して増殖しようとする動きを阻害する薬です。
(阻害する方法は抗生物質の種類に寄って異なる)
なので、細菌が人の身体のなかで増殖しようとしても、抗生物質を注入することで、その増殖を抑えることができる。
しかし一方で、ウイルスは、人の細胞の中の組織を利用して、増殖します。
だから抗生物質の働きは関係ないんですねー。
。。。
以上、素人による、にわか勉強の発表でしたー。
とりあえず、私の理解はこんな感じで。
萌え萌えな感じは伝わりましたでしょうか?(笑)
それから専門の方、もし記事のなかで間違った表現がありましたらご指摘ください。

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